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エネルギーを基礎とした先端科学の展望 ―プラズマ科学を中心に―
Perspective of Advanced Science Based on Energy - Emphasizing Plasma Science -

授業のテーマと目的

現在、エネルギー資源の枯渇、需要の増大によるエネルギー供給不足が大きな問題となっており、新エネルギーの開発が様々な分野で進められている。多様化する21世紀において、地球環境や温暖化などの観点から、エネルギー生産のあり方や質、開発プロセスそのものが強く問われる時代でもある。「プラズマ」と呼ばれる固体・液体・気体に続く物質の第四の状態を利用する核融合は、太陽のエネルギー源を地上で実現する新エネルギー源であり、世界的に研究が進展している。地上ではなじみが薄いが、宇宙の実に99.9%以上がプラズマ状態にある。また、日常生活となじみの深い雷や放電現象、プラズマテレビ、太陽コロナや太陽風はプラズマであり、しばしば人工衛星や通信機器に被害を与える。プラズマは宇宙で物質がとる最も普遍的な状態であり、130億年前のビッグバーンに始まる宇宙で繰り広げられた様々の構造形成もこのプラズマに端を発している。 本講義では、エネルギーにおける「量」と「質」の視点を中心に据え、エネルギーの存在形態やエネルギーを支配する法則などエネルギー科学の基本的な事項を講義するとともに、磁場核融合プラズマやレーザー核融合プラズマを中心に、プラズマを利用した様々な学術・応用研究、さらにはプラズマ科学が現代社会に果たす役割などについても講義する。


授業計画と内容

1. エネルギーを支配する法則、エネルギーの「質」と「量」
2. 物質の第4の状態「プラズマ」とは
3. 自然界・実験室における様々なプラズマ
4. 人口太陽を目指した磁場核融合研究
5. 高エネルギー密度科学とレーザー核融合研究
6. プラズマと21世紀の先端科学の展望
担当教員: 岸本(教授)、前川(教授)、中村(准教授)、李(准教授)